→2020.4.1<デュアルライフ リノベーションプロジェクトの概要 は こちら>

コロナ禍を絶好の「プランニング機会」と捉え、様々なアイデアを持ち寄り、「本当に気持ちいい家とは」を徹底論議。まずはプロジェクト第1段として、当プロジェクトが掲げる理想のリノベーションを施し、移住や二地域居住の「プレ体験」をいていただくための「賃貸物件」を制作することを決定しました。

①    リノベベースの物件はコレ!

山梨県北杜市長坂町、築30年の中古別荘がベース物件。フルリノベーションとはいえ、基礎や梁の状態の良いことが必須であり、ここを見定める「選択眼」が最初のとても重要な作業。我々プロジェクトチームメンバーが厳しいチェックを行い、「素材となる物件かどうか」を見定めます。さらに北杜市は山梨県有数の高原エリア。寒暖の差や、通年の温度湿度を見越した構造であることが重要であり、このような地域固有の対策を理解していることが、とても重要なノウハウとなります。

場所は北杜市長坂町、築年数30年、床面積68.5m2の2LDK物件となります。基礎や骨格、梁とも、ベースとしては問題なし。

②リノベーション・コンセプト

さてベース物件が決まったら、チームメンバー植木がコンセプロメイクを行います。以下は今回のために言語化されたコンセプトシナリオ。このイメージを、具体的なパースに落としていきます。

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【コンセプト】

木漏れ日が降りそそぐ自然豊かな森の庭、木々の隙間から見える南アルプス連峰、子供たちが自由に駆け回りウッドデッキでのBBQ、時の流れに癒されながら自然と共に暮らすアウトドアライフスタイル。非現実的だと思っていたライフスタイルをこのリノベーションプロジェクトによって非現実的化し、スタイリッシュで尚且つ住み心地の良い空間を建物と環境の持ち味を大切に活かしながら中古物件をリサイクルするだけではなくアップサイクルする=改善してリサイクルをすること。そして田舎暮らしの良さをThe only oneのリノベーションをする事によって一人でも多くの人々に伝えて行きたいと言う気持ちをコンセプトに込めています。

【デザインのこだわり】

この2LDK 2階建木造建築の物件は片流れ屋根のマウンテンキャビン風スタイル。外観・内装共に自然から生まれた独特なカラーで塗装仕上げ。健康にも環境にも優良な水性塗料を使用するのでシックハウス症候群やアレルギーの方でも安心。吹き抜けがあるスペーシャスなLDKの壁は板張りで囲まれ、黒や茶色、緑や青系でもない優しいナチュラルストーンベースのお洒落なグレーでハンドペイント仕上。2階マスターベッドルームは大人の雰囲気と落ち着きのあるカラーコーディネートでアクセントウォールにはプラスチック製のビニールクロスではなく本物の壁紙、拘りを持つ輸入壁紙を使用。暖かいシトラスイエローを冷たい北側の洗面脱衣に、そしてグリーン系のブルーをトイレと浴室の壁にアクセントカラーとしてチョイス、床は味のある茶色とグレーの入ったラフアンティークウッドで統一し、1階の広さをビジュアル的に表現しています。

キッチンユニットは通常のシステムキッチンとは違い当プロジェクトのオリジナルHand Madeキッチン。天板には山小屋スタイルのナチュラルウッド、そしてフレームには鉄のパイプと言ったインダストリアルスタイル。その他にも階段の手摺、玄関とLDKの間にあるスライディングドア、造作の壁や棚もビルダー木村が作り出すThe only oneクラフトマンシップです。

そして最後の拘りとしてマスターベッドルームの床、畳です。和室と耳にするとイメージダウンしてしまう傾向がありますが、長年海外でインテリアデザイナーとして活動してきた私にとって和室ほど興味深いリノベーションスペースはありません。壁や天井、アクセントウォールの壁紙に合わせ、畳の色や縁の柄にも拘り、和洋折衷なコーディネート、アバンギャルドな和室をデザインしました。

プレゼンテーションシート(サンプル)

③プロジェクトの流れ

通常の流れは以下のとおりですが、今回はいわば自社(自プロジェクト)物件ゆえ、①はメンバー全員で定義しました。その①を前提として、先のプレゼンテーションシートを作成、お客様のご要望を元に、具体的に可視化されたビジュアルを用い、最善の提案を行います。

 

次回レポートは9月下旬を予定しています。ご期待ください!